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タイトル |
堀田善衞研究論集(ホッタヨシエケンキュウロンシュウ) |
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500ページ近い大著で、総勢18名の執筆者によるオリジナルな論考の集成である。1堀田善衞との対話、2作品を読む・作品を論じる、3堀田文学の多彩な関わりの世界、4インタビューから成る。構成は堀田との広く多角的な取り組みを示している。近年の堀田研究の進展に基づきつつも、堀田文学の全体を計画的に相談しあって割り振ったものでなく、各人が自らの問題意識と独自な視点から挑んだ、さまざまな興味深いテーマの多様な組み合わせになっている。堀田とその作品理解に必要な巻末の年譜とともに、折込で巻頭に収録された、眼を惹く多色刷りの著作年表は本邦初めての試みで、活用しつつ楽しんでいただけるであろう。
折り込み年表 堀田善衞の世界(大森正樹)
序文
第一部 堀田善衞との対話
岸宣夫: 人、これを繰り返す・考
堀田一善: 叔父堀田善衞と知識の見方を巡る随想
第二部 作品を読む・作品を論じる
竹森敬子: 「波の下」から見た『祖国喪失』--主題の発見ーー
丸山珪一: 「影の部分」と1950年代初期の堀田文学
秦剛: ジェノサイドを表象する『時間』──証言の文学として読み直す
田崎勝子: 堀田善衞 一九六八年──『小国の運命・大国の運命』を読むーー
竹内栄美子: 戦時下の青春、生きるための思想ーー『若き日の詩人たちの肖像』から『方丈記私記』へ
鵜戸聡: 『スフィンクス』論──堀田善衛とアルジェリア戦争
水溜真由美: 堀田善衞『路上の人』論──ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』を補助線として
紅野謙介: 堀田善衞『定家明月記私抄』論──評伝のジャンルとその認識の方法
第三部 堀田善衞文学の多彩な関わりの世界
野村剛: 「北国の小さな港町」をめぐる断想ーー堀田善衞をはぐくんだ伏木の町を歩くーー
陳童君: 堀田善衞から島田政雄へ──もう一つの上海物語ーー
丁世理: 堀田善衞と重慶ーー史跡踏査ーー
由谷裕哉: 堀田善衞の神道理解
高橋誠一郎: 堀田善衞のドストエフスキー観──堀田作品をカーニヴァル論で読み解く
斎藤真理子: 堀田善衞と朝鮮
大森正樹: 堀田善衞スペイン作品私記
第四部 インタビュー
嶽本あゆ美:インタビュー 歴史と演劇──堀田善衞作品を上演して (聞き手 竹内栄美子)
堀田善衞略年表
後書き
執筆者紹介