クレオール思想を代表する思想家、文学者の大著。その思想のエッセンスを伝える代表作の完訳。20年余の訳業を経て、待望の刊行成る!
カリブ海のフランス海外県・マルチニックにあって、その歴史・社会構造・言語・人々の心性のありようを、アンティル(カリブ海諸国)、とくにマルチニックに関わる厖大な言説を収集・分析しつつ明らかにし、フランスへの依存を逃れ、主体的な民衆による自立を訴求する。全篇を覆う危機意識、はるかに展望される独立への眼差し。多様なジャンルで著述活動を行なってきたグリッサンの結節点であり、その思想のエッセンスがあますところなく示された、最大にして最重要作。