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タイトル |
シグナルとシグナレス(シグナルトシグナレス) |
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宮沢賢治の物語世界に、現代を代表する個性豊かな画家たちが向き合い、絵本化したミキハウスの『宮沢賢治絵本シリーズ』は、江國香織や工藤直子を見出した論客・今江祥智氏から「出会うべき作品に、出会うべき画家が出会っている。白眉である!」と最高の評価を受けました。当シリーズは、1987年に「注文の多い料理店」絵:スズキコージ氏の刊行からはじまりました。
そして2021年、36タイトル目にして山口マオ氏の登場です。傑作を授けていただきました。
今後も刊行を続け、50タイトルを目指してまいります。
「あなたはきっと、私の未来の妻だ。」
「ええ、そうよ、あたし決してかわらないわ」
「婚約指輪(エンゲージリング)をあげますよ、そらねあすこの四つならんだ青い星ね」
シグナルは星空を見上げてシグナレスに云いました。「あの一番下の脚もとに小さな環が見えるでしょう、環状星雲(フィッシュマウスネピュラ)ですよ。あの光の環ね、あれを受け取って下さい、僕のまごころです。」
(一)ガタンコガタンコ、シュウフッフッ、
(二)それからもっともっとつづけざまに
(三)五日の月
(四)『わかってますよ、
(五)どうもひどい風ですね
(六)シグナルはつばをのみこんだり
(七)シグナル
(ハ)あああ、八年の間
(九)諸君、シグナルの胸は燃えるばかり
(十)星はしずかにめぐって行きました
(十一)『ええ』『そうか。ではアルファー』