混沌としたロマンチック、遠ざかる極楽都市・香港の光と影
香港を拠点に世界で活躍するフォトグラファー=ウィン・シャと、日本を代表するアートディレクター/グラフィックデザイナー=井上嗣也。
二つの才能が響き合い、ときに衝突するエネルギーを源に創られたChaos(カオス)の世界。そこには固定概念から解放されたグラフィックデザインと写真の、自由かつ幸福な関係が綴られている。
映画監督ウォン・カーウァイの専属スチルカメラマンとして作品づくりに参加し、世界的な名声を得たウィン・シャが30年にわたり撮りためた写真をもとに、二人のエクスペリメンタルなコミュニケーションの探究が生みだした一冊の写真集。
濃密に続く時間のなかで、香港の光と影が織りなす美しい混沌の世界が広がる。
【プロフィール】
● ウィン・シャ Wing Shya [著者 クリエイティブ・ディレクション/写真]
フォトグラファー、フィルムディレクター
1964年香港生まれ。エミリー・カー・インスティテュートを卒業後、Shya-la-la Workshopを設立。グラフィックデザイナー/タイポグラファーとして数々の賞を受賞。1997年より映画監督ウォン・カーウァイのもと、彼の代表作品である映画『ブエノスアイレス』『花様年華』『2046』『愛の神、エロス』の撮影の仕事を始めたことをきっかけに、スチルフォトの世界にも足を踏み入れた。現在もウォン・カーウァイとのコラボレーションを続け、映画やコマーシャルビデオの監督の領域にも進出している。
2020年「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」に参加するなど、日本においても人気を博している。
● 井上嗣也 いのうえつぐや [アートディレクション/デザイン]
アートディレクター・グラフィックデザイナー
1947年生まれ。1978年ビーンズ設立。広告、音楽、出版、TVなどのアートディレクション。写真とタイポグラフィの斬新なデザインワークでジャンルを横断した仕事を続けている。東京ADCグランプリ、東京TDCグランプリ、日本宣伝賞山名賞、毎日デザイン賞ほか。