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タイトル |
モノノメ 創刊号(モノノメ ソウカンゴウ) |
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いまのインターネットは「速すぎる」。速すぎる情報の消費速度に抗って、少し立ち止まって、ゆっくりと情報を咀嚼して消化できるインターネットの使い方を考えてみたい。いま必要なのは、もっと「遅い」インターネットだ──。こうしてはじまった「遅いインターネット」計画。この1年、僕たちはあたらしいウェブマガジンの運営と、タイムラインの潮目に流されない豊かな「発信」のちからを養うワークショップを継続してきました。 そして、2021年。この運動の次のステップとしてあたらしい「紙の」 雑誌を創刊します。
雑誌の名前は「モノノメ」にしました。
由来は春の季語の「物の芽」で、いろいろな植物の芽の総称です。そしてそこに「ものの目」という意味も込めました。僕たちはいま、人の目のネットワークの中に閉じ込められているところがあるので、別の目で世界を観てみたい。そんな思いを込めています。
いま、この国はカビの生えた権威に媚びて席をもらうか、アテンション・ エコノミーに乗っかって空疎なパフォーマンスをやり遂げないと、ものを表現することが難しくなっています。けれども、それではどんどん世界は貧しく、つまらなくなっていく。この小さな雑誌が、本当に価値を生んでいる人たちがちゃんとした手続きで読者に出会えるような、そんな場になればいいと思っています。しばらく、粘り強く続けるつもりです。よろしくお付き合いください。