いま(present)、この儚さとこの豊かさ。
独立研究者として、子の親として、一人の人間として
ひとつの生命体が渾身で放った、清冽なる19篇。著者初の随筆集。
目の前の何気ない事物を、あることもないこともできた偶然として発見するとき、人は驚きとともに「ありがたい」と感じる。「いま(present)」が、あるがままで「贈り物(present)」だと実感するのは、このような瞬間である。--本書より
『数学する身体』(新潮社、第15回小林秀雄賞受賞)の著者による待望の2冊目がここに誕生ーー。
ーー偶然の贈り物
I
捨身
風鈴
身軽
白紙
不一不二
II
君が動くたび
意味
まっすぐ
切断
reason
情緒
III
変身
いまいる場所で
胡蝶
かぞえる
IV
パリ
母語
探求
現在
ーーあとがき