これまで誰も解読に成功することのなかった、北朝鮮という不可解なる暗号を解くカギとなるもの……それが外部の者が入ることが許されなかった秘境の世界、平壌という都市であるだろう。
本書は、著者の20年にわたる平壌でのフィールドワークを基に、都市の世界観を直感的に伝えるビジュアル・イメージとともに独自の理論をまとめたものである。
現代的感覚との、政治的な乖離がある北朝鮮の在り方が国際問題化して久しい。そのうえ、平壌という都市自体が無視されているのが現状である。
しかしパラダイムがシフトし、時代が変われば、平壌という都市文明とその独自文化が世界の社会人類学の対象になることは間違いない。
その先鞭をつけ、ひもとくための一助となるものがこの一冊であると確信している。
導入:平壌秘境論
序論:巨人の系譜論
本論:箱庭の平壌論
はじめに
Part1.金日成の新古典主義
Part2.金正日の構成主義都市
Part3.金正恩のSFバロック建築都市
おわりに
写真:平壌の芸術
Part1.アート&クラフト
Part.2プロダクトデザイン
人物:平壌の少女
まとめ:ピョンヤン・フィクション論