ダークファンタジーの傑作『ベルセルク』は後世に何を伝えるのか? 9人の論者が独自の視点から徹底読解。社会学者の宮台真司、漫画研究家の藤本由香里、漫画編集者の島田一志、ドラマ評論家の成馬零一、作家の鈴木涼美、批評家の渡邉大輔、暗黒批評家の後藤護、ホビーライターのしげる、漫画ライターのちゃんめい、それぞれ異なる角度から『ベルセルク』の魅力を立体的に描き出した本格的漫画評論集。巻末には成馬零一、しげる、ちゃんめいによる鼎談も掲載。
005 イントロダクション
009 宮台真司 │ 人間の実存を描く傑作『ベルセルク』
025 藤本由香里 │ 三浦建太郎という溶鉱炉 -追悼・三浦建太郎ー
043 島田一志 │ マイナーなジャンルで王道のヒーローを描く
061 成馬零一 │ 私漫画としての『ベルセルク』
083 鈴木涼美 │ 穢されないのはなぜか -娼婦と魔女がいる世界ー
099 渡邉大輔 │ テレビアニメ『ベルセルク』とポスト・レイヤーの美学
113 後藤護 │ 黒い脳髄、仮面のエロス、手の魔法
139 しげる │ フィクションと現実との境界線に突き立つ「ドラゴンころし」
155 ちゃんめい│ 後追い世代も魅了した「黄金時代篇」の輝き
169 特別付録 成馬零一×しげる×ちゃんめい │『ベルセルク』座談会