韓国で4万部のベストセラー。
1920年代から50年代にかけての朝鮮独立運動・共産主義運動を女たちの視点から、女性作家が描き出す骨太の長編歴史小説を格調高い翻訳でお送りします。
植民地下の朝鮮で青春をともにした三人の女たち、許貞淑(ホ・ジョンスク)、朱世竹(チュ・セジュク)、高明子(コ・ミョンジャ)と、彼女たちの周辺の、朴憲永(パク・ホニョン)や呂運亨(ヨ・ウニョン)、金日成(キム・イルソン)など歴史に名を残した男たちがいきいきと描かれます。
戦時下のソウル、粛清の嵐吹き荒れる平壌、そして愛する娘が暮らすモスクワーー朝鮮共産主義運動史と生涯をともにし、それぞれの終着駅にたどり着いた三人の女たちの物語。
優れた文学作品にして東アジア近現代史、そしてフェミニズムの新たな必読書です。
佐藤優(作家・元外務省主任分析官)解説。
許貞淑が八路軍の政治指導員として太行山へと行軍していた1939年、親友の朱世竹はカザフスタン・クズロルダの流刑地で命をつないでいた。いっぽう転向書を書かされ、京城で静かに暮らしていた高明子のもとにある日、親日雑誌『東洋之光』の社長が訪れ……。
近現代史とフェミニズムの新たな必読書、女性作家による韓国ベストセラー歴史小説完結編。
主な登場人物
第11章 一幕の長い白昼夢 …1939年 京城
第12章 身体が土に埋められたら魂は夕焼けに埋められるのか …1942年 太行山
第13章 あなたのお父さんは朝鮮の革命家なのよ …1945年 ソウル、平壌、クズロルダ
第14章 狐の穴か、虎の穴か …1948年 平壌、ソウル
第15章 あの骸骨の中に一時トルストイやガンジーが入っていたというのか …1950年 ソウル、平壌、クズロルダ
第16章 僕が死んでも、その死が語るだろう …1952年 平壌、モスクワ
第17章 我々は結局、アメリカを発見できなかったコロンブスだった …1956年 平壌
エピローグ 1991年平壌
作者あとがき
解説
翻訳者あとがき
下巻年表