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タイトル |
戦争のかけらを集めて(センソウノカケラヲアツメテ) |
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やがてくる第二次世界大戦の体験者不在の時代に、私たちは、どうすれば過去とつながることができるのかーー
世代交代が進む戦友会や史資料・メディアを通して、戦争に向き合う11人の研究者たちが、「断絶」に抗する術を探る。
偶然出会った個人の生と死、戦後の片隅にいた集団の断片的な物語などを拾い集め、埋もれた歴史経験のリアリティを描きだす。これからの継承のかたちを構想し、過去の戦争が「歴史」になる時代に何ができるのかを考える。新しい研究者たちによる挑戦の一冊!
プロローグ あの戦争は「歴史」になったとしても 清水亮
第1部 非体験者による存続の行方
戦後七〇年の軍艦金剛会 「追憶」のためのノート 塚原真梨佳
不戦兵士の会 元兵士と市民による不戦運動の軌跡と次世代への継承 遠藤美幸
なぜ統合は困難なのか 戦友会の固有性と組織間のつながり 角田燎
[補章1]戦友会研究への招待 非体験者が参加する戦友会という謎 角田燎
第2部 元兵士をめぐるまなざしの交錯
なぜ憲兵の体験や記憶は忘却されたか 未発に終わった全国憲友会連合会の「引き継ぎ」から 後藤杏
攻囲される日本郷友連盟 公文書から国家の認識に迫る 白岩伸也
未来出征軍人会 第二次世界大戦前夜におけるアメリカ在郷軍人会と大学生 望戸愛果
自衛隊体験の使い道 自衛隊退職者が書いた書籍の分析から 津田壮章
[補章2]兵士の史料への招待 捨てる/拾うの位相から 白岩伸也
第3部 残された言葉との対話
書かれたものをとおして戦争体験者とつながるには 堀川優奈
陸軍士官学校からエリートビジネスマンへ ある六十期生の「陸士経験」と戦後 塚田修一
歴史への謙虚さ 非体験者による歴史実践の可能性 清水亮
「わだつみ」という〈環礁〉への航路 ミュージアム来館者調査から 那波泰輔
エピローグ 環礁の屑拾い 「未定の遺産」化の可能性 清水亮・白岩伸也
あとがき
執筆者プロフィール&エッセイ