山田風太郎賞受賞後第一作
寄り添い、寄り添われ、生きていく
動物介在療法に携わるDI犬のスピカと、そのハンドラーの凪川遥が、横紋筋肉腫を患った5歳児、強迫性障害を抱える中学生、産後うつの患者や家族たちと向き合う。それは、凪川自身の内面にも変化を起こし、やがて大きな決断をすることに。
動物介在療法を知るきっかけとなった同期との出会いとその後、育児放棄をした母とのこれから。
犬と人との関係を通じ、人と人との心地よい距離と自分自身のありようを見つめ直していく。
命の現場を舞台に、現役看護師の著者が描く希望の物語
第1章 2023年5月 白い生き物
♯1 2012年 春
第2章 2023年8月 水のないプール
♯2 2012年 夏
第3章 2023年12月 真冬の蟬
♯3 2019年 冬
第4章 2024年2月 線を跨ぐ
♯4 2022年 夏
第5章 2024年3月 正しい距離
エピローグ 2024年 春