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殺された少女の家族。殺した17歳ーー。人はどう赦し、生きなおせるのか。
●2022年釜山国際映画祭 キム・ジソク賞ノミネート
●2023年ヨーテボリ映画祭 正式出品作品
●2023年ウディネ・ファーイースト映画祭 コンペティション部門ノミネート
★魂の救済、赦しという深遠なテーマに真っ向から挑んだ問題作
『赦し』は、被害者遺族の元夫婦と服役中の加害者の女性それぞれの葛藤を見すえたサスペンスフルなヒューマン・ドラマである。
本作の物語はあくまでオリジナルのフィクションだが、実際の少年事件からもインスピレーションを得た物語は、このうえなく生々しい問題提起をはらんでいる。
被害者遺族と加害者双方の視点を取り入れた本作は、罪と罰という根源的な主題を鋭く探求しながら、観る者の感情にずしりと訴えかけてくる。
癒やしようのない責め苦を負った者は、その罪や悲しみを乗り越えて生き直すことができるのか。
人と人は互いにわかり合い、憎むべき相手をも受け入れることが
できるのか。魂の救済、赦しという深遠なテーマに真正面から挑んだ問題作が誕生した。
★法廷の内外での激しくもサスペンスフルに揺らめく感情を体現した、
尚玄×MEGUMI×松浦りょうの迫真のアンサンブル
怒りと憎悪の呪縛に囚われた主人公、克を演じるのは、フィリピンの巨匠ブリランテ・メンドーサ監督と組んだ主演作『義足のボクサー GENSAN PUNCH』(21)が記憶に新しい、尚玄。
元妻の澄子に扮するのは、第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞した『台風家族』(19)『ひとよ』(19)などで多彩なキャラクターを演じてきたMEGUMI。
深い喪失感を共有する者同士でありながら、対照的なベクトルで裁判の成り行きを見つめる元夫婦の複雑な思いを表現した。
さらに、澄子の現在の夫を演じるオリエンタルラジオの藤森慎吾、裁判長役を毅然と体現した真矢ミキがドラマに厚みを与えている。
そして、夏奈役に抜擢された松浦りょうのキャスティングも見逃せない。
映画デビュー作『渇き。』(14)などで独特の存在感を示してきた新進女優が、本作の成否を左右すると言っても過言ではない難役に挑戦。殺人というあまりにも重い十字架を背負った夏奈の不安定な心模様を、繊細な揺らぎを湛えた瞳とたたずまいで伝えるその迫真の演技は、本作における最大の発見としてあらゆる観客を驚嘆させるだろう。
★日本在住の気鋭のインド人監督アンシュル・チョウハン最新作!
本作のメガホンを執ったアンシュル・チョウハンは、2011年に来日してアニメーターとして活躍し、自主制作の『東京不穏詩』(18)で実写長編映画デビューを果たしたインド人の気鋭監督だ。
長編第2作の『コントラ』(19)では、エストニアのタリン・ブラックナイト映画祭でグランプリ、北米最大の日本映画祭ジャパン・カッツで第1回大林賞を受賞。
国内外で注目度が高まっているチョウハン監督が、寓話的なファンタジーだった前作から作風を一変させ、重厚でリアリスティックな語り口を披露した『赦し』は本格的な裁判劇でもある。
法廷における裁判官、弁護士、検察官、証人のやりとりを臨場感たっぷりに描出。
その息詰まるスリリングな展開に、登場人物たちが抱く不安、迷い、痛みをシンクロさせた濃密な映像世界から目が離せない。
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